影響を受けた言葉たちPart4

名言

ここでは、私が何かしら影響を受けて心にメモした言葉たちを紹介します。

言葉の力

人間が発明した文字によって、未来の人へ記録を残せるようになった。
その結果、私たちは過去の人であってもその「声」を聞くことができる。

遺された言葉に限らず、私が出会った人から、本から、メディアから見聞きした言葉で印象に残り、思わずメモした言葉たちを紹介します。
何かのヒントやきっかけなど、ちょっと背中を押すことができれば幸いです。


今日の言葉

中国古典からご紹介。誰もが聞いたことのある名句であるが、改めて「水」というものを見つめ直し、人生に生かしていきたい。

上善は水の如し(老子)

知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ(論語)

智はなお水の如し、流れざるときは則ち腐る(宗名臣言行録)

それぞれ解説していこう。


背景・エピソード

おそらく何かの記事に紹介されていたのだが、かなり前のことで詳細は忘れてしまった。

水を題材にする言葉ということで3つ紹介されていた。
この水について改めて考えてみると、非常に不思議な物質であることがわかる。

急に理科の話になるが、水:H20は、ゼロ℃で液体から固体、すなわち氷に変化することは誰でも知っている。物質は通常、液体から固体になると密度が上がる。気体>液体>固体の順で密度が上がるわけだ。気体より液体の方が、そして液体より固体の方がキュッと集まっている感じがする。

しかし、水だけはそうではない。固体になった氷の方が密度が高ければ、水の中に沈んでしまう。でも氷は実際、水に浮く。氷の方が、液体の水より軽い(密度が小さい)のだ。

その水がブランドイメージとなっているのが、国内の大手ジュエリーブランドの“4℃”である。「匿名宝飾店」の試みで話題となっていた4℃だが、この4℃というのは、水も密度が最も高くなる温度なのである。言い換えると、4℃の水が最も重く、そこからまた密度が小さくなっていく。池に水が凍るときには、表面が冷やされて4℃になった水は重くなりどんどん下に下がっていく。池全体が4℃になると、上から順に冷やされて0℃になると氷になっていく。
なぜ4℃なのかはわからないが、この性質のおかげで池全体が凍ることはなく(あまりに寒いと凍るかも?)そこの方は4℃の水のままで魚も生きることができる。そして氷河は海に浮き、北極などの氷は陸地として使えるようになっている。

水の密度の温度変化のグラフ

図 水の密度の温度変化(文部科学省HPより抜粋)

話は氷の方に脱線したが、この不思議な水があったからこそ地球に生命が生まれ、青い星として地球を地球たらしめてくれた、水とはそんな物質である。

文部科学省のHPにこの辺の説明は詳しいので、ご興味のある方は下記からどうぞ↓
文部科学省 第一章 水の性質と役割


学び、活かす

水の前置が長くなったが、古来より水と深い関わりのあったご先祖様は、水に喩えた言葉もたくさん使ってきた。今日はその中から水を題材にした3つを紹介した。

上善は水の如し

老子

上善とは平たく言えば立派な人と捉えてほしい。水の如しとは、方円の器に従う柔軟さ、低いところに身を置く謙虚さ、秘めたるエネルギーの3つを持っているという。
「方円の器に従う」とは、四角い容器でも丸い容器でもその形に合わせて入ること。「低いところに身を置く」とは、高いところから低いところに流れていく様から。そして「秘めたるエネルギー」とは、水が持つ自然の驚異(津波や川の氾濫がどれだけの被害をもたらすかは、今も昔も変わらない)を表している。

柔軟さ、謙虚さ、“いざ”というときのパワーを忘れないように、水のように生きたい。

知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ

論語

知者の頭からは、知識が水のように次々と湧き出て尽きることがない。
仁者は世の中の動きに超然として自分の内面世界を守り、山の如くいささかも動かない。
人間の大事なことを「水」と「山」に喩えるこの言葉も好きだ。

智はなお水の如し、流れざる時は則(すなわ)ち腐る

宗名臣言行録

水は絶えず流れていないと腐ってしまい、飲み水として使えなくなってしまう。智もそれと同じように、絶えず使っていないと錆び付いて使い物にならなくなる。
流れているからこそ、動いているからこそ常に新しく新鮮な状態でいることができる。そうやって常に新しい考え方や取り組みを吸収し、行動していける人はいつまでも若々しく、元気なもの。身体も、日々動かし鍛えられている人はそれをずっと維持できている。流れ続ける、使い続けるという「継続」の重要性に改めて気づかされる。


3つの「水」にまつわる言葉を紹介した。
人間の活動になくてはならない水は、古来より生活の一部となって身近に存在していたものだ。そこに着目し、人を水に例えて表現する洞察力・観察力には本当に感服する。

何気なく利用している水に、今一度思いを巡らせてみるのもおもしろいかもしれない。

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